ニッポンの夏コンゴの夏

ついうっかりしているうちに、5か月以上更新していないことに気が付きました。


理由は、昨年の12月に次女が生まれた、将棋にはまってこれまでブログ書く時間にコンピュータ将棋と対戦してた、そ〜し〜て、仕事が忙しかったからです。


さて、仕事が忙しかったのはなぜか。まあ、4月〜6月は株主総会シーズンですからね。普通に忙しい。それを差し引いても、忙しかったです。それは、紛争鉱物調査に思いっきり巻き込まれたからです。


紛争鉱物調査とは何か。なぜ巻き込まれたのか。


乱暴にまとめると、米国上場企業+αに非常にめんどうな義務が課されたんです。具体的には、「自社で製造している製品がコンゴ共和国やその周辺国の金、タンタル、スズ、タングステンを使っていないか合理的な調査を行い米国証券委員会に報告する」義務が課されました。


製造している製品と書きましたが、製品を構成する部品や材料についても調査をしなければなりません。
例えば、パソコンメーカーなら、自社のパソコンを構成する全ての部品に、金、タンタル、スズ、タングステンが含まれているか確認する。
さらに、部品のサプライヤーに原産地というか鉱山はどこと聞いて、部品のサプライヤーはそのサプライヤーに聞いて(以下略)という作業
が延々繰り返される気が遠くなるような営み。


そんなわけで、米国に上場していない企業でも、それなりに海外に進出している企業ならば、直接のお客様でなくても、お客様のお客様とか、
どこかのお客様に米国上場企業がいるでしょう。しがない日本のメーカーでもこの法律に巻き込まれ、しがない法務担当(おれおれ)もこの法律に巻き込まれたわけです。


ん〜とはいえ、法務担当だと、普通は、法律の概要を本来担当すべき購買部門やCSR部門へ説明しつつ、イレギュラーな対応の際にちょこっと出てくる程度だと思います。まあ、このあたり、深く突っ込むと、会社批判になりますので、辞めて、もとい、止めておきますが、まあ、巻き込まれっぷりが悲惨です。


どの会社でも、紛争鉱物調査は、おおまかに次のような感じの業務に分類できるはずです(先進的な企業はこの限りでない)。(1)サプライヤーへの照会、(2)サプライヤーからの回答のチェックとサプライヤーへの突込み、(3)サプライヤーからの回答をDBに登録、(4)製品とサプライヤーの紐付け、(5)お客様への回答、(6)お客様からの(時として、否、常にウザい)照会への対応。その中で、(1)と(4)以外、私独りでやってます。今年の4月以降、(2)、(3)は100件強、(5)は170件、(6)は20件くらいですかね。素性がばれないように、ざっくりと会社の概要をいいますと、売上1000億円未満、従業員5000人未満な会社ですが、製品を構成する部材は比較的単純なので、独りでできているのかもしれません。


まあ、普通の会社であれば独りでやらせないので(苦笑)話しのネタとしては(法務パーソンの仕事としては)面白いでしょうし、何かしら記録しておくことで、現在対応に大わらわな方に少しでもお役にたてることを願いつつ、そして(これが大事)、ご無沙汰なブログのネタとして、しばらく、これまでの経緯を時系列で書きつつ、テーマ別に、紛争鉱物についてグダグダ書いていこうかなと。