サプライヤー補完計画

もうなんだかすごいことになってますね。中国の反日デモ
もう少し、思想・哲学の素養があると、ナショナリズムについて滔々と述べられるのですが、さすがに能力不足なので、仕事に関連した、多少卑近な感想を。


東日本大震災以後、どこそこの工場で事故、あそこの工場付近で暴動という報道があると、翌営業日には、お客様から、「納品する製品の供給に問題はないのかぁ?午前中に知らせろやぁ。いつの午前中だってぇ?当然本日に決まっているだろうゴルァ」というアンケートがすぐきます(自社は下請法の適用はありません)。連休明けにPCのメールをあけるのが怖いっす。。。


そんな感じで、この1年半、お客様から、自社の直接のサプライヤーのデータよこせというアンケートだけでなく、さらに先のサプライヤーのデータよこせなんていうアンケート対応ばかりやってます。


メーカーにとっては、部材の仕入先自体が、社外に出したくないノウハウだったりして、Tier2以降のサプライヤーのデータは出してくれず、「Confidential なんすけど何か」でごまかしています。


ただ、今回の中国のデモやら、瀬戸内のどこかで爆発事故やらがあるときは、仕入先から、Tier2以降のサプライヤーのデータを渋々出していただけることもたまにあります。併せて、対象は限られているとはいえ(金、タンタルなどを使っている製品)ドットフランク法絡みで、Tier2以降のサプライヤーを出し渋っていた仕入先の対応が劇的に変わるかもしれません。


こういった動きを私は、「サプライヤー補完計画」と勝手に呼んでいますが、こんな自社についてのノウハウをオープンにしなければならなくなっているのは、三河車屋さんの在庫を持たない生産方式をこれまで極限までおしすすめていたことが一つの理由なんだろうと思います。この生産方式の揺り戻しとでもいうんでしょうか。在庫をある程度持ちつつ、仕入先もマルチ化するといったコストがかかることをやらざるを得なくなってます。他方で、それとは関係なく、「売価を安くしろやゴルァ」という圧力はかかり続けるわけで、本当に厳しい環境やなあと思います。


補完と言っても部分的な補完ですよね。そんなにいろいろ言うなら、買収してしまえ、と思いますが、分業のメリット(在庫・マルチソースをしつつ、コストカット)は享受しつつ、情報出させて、どんどん追いつめていく。電気自動車が出てくるとTVみたいにコモディティ化して、今ほどエラそうな態度はとれなくなるのでは、とは思いますが、車屋さんが大変なことになったら、日本の産業はもっと大変なことになるかもです。それはそれで嫌ですが、10年、20年後を踏まえ、車に依存しない収益構造を持つことが、日本の製造業にとって大事なんだろうと、無理やりまとめてみました。。。