【雑誌】労政時報第3829号「懲戒制度の最新実態」

法務パーソンらしく、たまには(苦笑)法務ネタです!


お題は、労政時報12.9.14号(第3829号。10頁〜44頁)の「懲戒制度の最新実態」。


5年ぶりでございます。この特集は、懲戒処分の相場を決定する際に、参照することが多ございますので、新たに調査していただいて有難い限りでございます。


面白かったのが、30個のモデルケースに対して、各社人事担当者が過去のケースを参考に、本人ならびに上司にどんな懲戒処分を課すかという項で、新たに追加された設問。「就業時間中、FacebookmixiTwitter、個人のブログ等に日常的に書き込みをしていた」懲戒処分如何。


回答した149社の人事担当のうち、本人に対して、60%が戒告・譴責・注意処分、減給が20%、出勤停止が15%。複数回答ではありますが、処分しないが9%。論旨解雇も含めた解雇が合計7%弱でした(40頁)。


会社員と思しき方が就業時間中にTwitterしているのを見ているので、感覚がマヒしているところはあるにせよ、業務に影響が出るくらいそして日常的にやっているとなると、懲戒処分もやむをえないかなあとは思います。どうやって解雇にもっていくんだろうとは思いますが。何度注意しても書き込み続けた猛者なんでしょうかね。。。。


さて、そんな部下に何らかの注意をしなかった上司に対しては、約30%が懲戒処分の必要ありと。結構高いですね。30%のうち、86%弱が戒告・譴責・注意処分、14%強が減給(43頁)。うそ〜ん、減給まで逝く?!さすがに出勤停止以上の処分はなかったようですが。部下の勤務状況やPCの画面をチラチラみてないと対処のしようがありません。トイレの個室で書き込みしてたら、無理ですね。また、業務で使っているPCで書き込みをしたとしても、業務PCでどのサイトを見ているかトラッキングするようなシステムがないと、面倒ですね。。。


この種の懲戒事由は、「会社で多くの人が書き込みをしているのに許されているか否か」が、懲戒処分の適法性を基礎付けるので、実際にその問題に直面したときと、気軽にアンケートに答えるときとでは、かなりの差があるでしょう。また、会社でも、「杓子定規にキチキチやるのがおれの仕事だぁ」という管理部門と、「そんなに細かいこと言ってもねえ」というのんびり管理部門とで、違いますね。組織の大きさや業績によっても、懲戒処分を課すか否かは変わってくるでしょう。私的には、前職も現職も懲戒処分は違法の香りたちこめる、という感じです。とはいえ、書き込んでいる当人だけでなく、上司にも懲戒処分が及ぶ可能性があるなんて、世知辛い世の中でございますね。。。。